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コラム(H24.6.1)

「ぐるりのこと。」のこと

 映画「ぐるりのこと。」が好きだ。
 法廷画家の夫と出版社に勤める妻ふたりの周りに起こる出来事が描かれた映画で,物語の主題は主人公ふたりの関係だと思うのだが(もちろん私も,カナオ(夫)のようなパートナーは本当にいいなと思う),私は何より法廷の場面に惹かれてしまう。私が学生だった頃〜弁護士になる頃の間の大きな事件がたくさん出てきて(1993年からの10年間が作品の舞台だそうだ),当時のことを思い出したり,“刑事弁護とは”を考えさせられたり,時間を置いてまた観たいと思わされる映画だ。

 法廷の場面は,監督は全て傍聴してはったんかなと思うくらい私にはリアルに感じられて,どんな人にどんな取材をどれだけしたんだろう,尋問の場面の台詞は刑事記録から起こしたんだろうか,等々,とても興味深い。選ばれているのにはシリアスな場面が多いけれど,あぁ分かる分かると思わず笑ってしまう場面もあるし,マスコミの傍聴態度はあんなにひどかったんですかと先輩弁護士に聞いてみたくもなる。

 さらに興味深く思うのは,たくさんの選択肢があったであろう法廷の場面の中から監督は何故この場面を選んだのか,だ。特に地下鉄サリン事件。私は選ばれている場面に何とも共感するというか,私もその場面を選びたいと思うというか,うまく表現できないがともかく好感を抱くのだが,「何故そんな場面を」と言う向きもあるだろうと思う。誰か橋口監督にインタビューしてくれないかな,ついでに新作をお待ちしてますと伝えてくれないかな,と思うのだ。
(弁護士 佐藤 真奈美)

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